でかけたとき日記

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1927年のサイレント映画『タイタニック』を観てきました!

 

※注)これは昨日の出来事です。昨日は母の誕生日だったので、コミュニケーションしててアップできませんでした。

 

今日は「シネマヴェーラ渋谷」に映画を観に行ってきます! 観る映画は1927年制作のサイレント映画、アラン・ドワン監督の『タイタニック』です。

タイタニックを題材にした映画はすごく沢山あって、そのうちいくつかは見ています。

まずはもちろん一番有名な1997年制作、ジェームズ・キャメロン監督、レオ様主演の『タイタニック』、

キャメロン監督のドキュメンタリーである2003年『タイタニックの秘密』、

1979年制作のTV映画『失われた航海』、

1953年の『タイタニックの最期』(これ名作です)の4本くらいかな。

そしたら現在、1927年制作の『タイタニック』なる映画が公開されているというので、「これは見に行かなければいかん」と思いました。

 

 

外はものすごく暖かい陽気。もう春ですね。着る服がなくって困ったなあ(と毎年言っています)。

 

雲一つない小春日和

 

さ、少年少女向けの本『モンテ・クリスト伯』を持って、渋谷まで行ってきます!

 

現在、中巻です

 

それにしても渋谷は汚いですね。道玄坂らへんの坂道の路地を、えっちらおっちら歩いて向かいましたけど、なんだか薄ら汚い。

別にゴミで溢れてるってわけではないんですけどね。落書きとかあるし、昼だからか店はシャッターで締まってるし、ラブホテルらしき建物が密集してるし。

たむろしてる若者もなんだか知性を感じないし、率直に言って夜は来たくないなと思いました。

新宿はそういう風には思わないんですけど、、、(駅近くは)。

そんなことを考えながら歩いていたら、着きました。シネマヴェーラ渋谷。よく知られた映画館「ユーロスペース」とおんなじビルなんですね。

ユーロスペースの方ではレオス・カラックスの特集をやってました。私、18歳の時にリバイバルされていた『ボーイ・ミーツ・ガール』を観に行ってるのですが、当時の私はさっぱり理解できず、そのままになってる監督です。

 

到着。このビルの4Fがシネマヴェーラ渋谷でした。

 

ま、それはさておき、今日は『タイタニック(1927)』です。

夕べ、ネットでチケットを取っておこうと思ったら、シネマヴェーラ渋谷は「当日券のみ、現金のみ」とのことだったので、1時間くらい前に着くように行きましたけど、整理番号が28でした。今日は結局40人~50人くらい入ってたんじゃないでしょうか。

でも会場は結構広くって、どうやら140人くらい入るらしいので、余裕で好みの席(前から4列目の真ん中あたり)を取ることができました。

 

今日観た「監督たち」特集のポスター

 

映画は90分間、食い入るように見てきました。良かったです。面白かった。

面白かったんですけど、どういう訳だか全然『タイタニック』ではなかったです笑!

映画が始まって30分経っても、いっこうにタイタニックの気配もない、40分経っても50分経ってもぜんぜんタイタニックにならないんです。

一時間過ぎたあたりで、主人公の恩人であり実の父親でもある男がタイタニックに乗り込んで、その後15分から20分くらいがタイタニックでした笑

いや、映画が始まった瞬間、舞台がNYだったもんで「NYスタートかあ。タイタニックまで遠くない?」と思ったんですけど、その予感が当たってましたね。そもそも主人公はタイタニックに乗りもしませんでした笑

 

ストーリーはだいたいこんな感じ。

主人公のジョン・ブリーンはイケメンマッチョな若き青年。家は貧しくて、両親と自分の三人暮らし。ハドソン川に浮かぶ小舟がジョンの家で、その船を使ってマンハッタンの高層ビル建設に使うレンガを運んで生計を立てています。ジョンはそんな暮らしに飽き飽きしていて、川ではなく街で暮らしたいなあと思ってます。

実はジョンは、母親は実の母親なんですが、父親は違います。どうやら母親は若い頃、ある富豪のメイドをやっていて、その富豪の息子と恋に落ちてジョンを産みますが、結局は破談してしまいます。そしてその後、川の男と結婚してジョンを育てています。

ある晩、大きな船にジョンたちの小舟が衝突し、両親がおぼれ死んでしまいます。かろうじて助かったジョンはマンハッタンにやってきて、洋裁屋の家に拾われます。そしてその仕事を手伝いつつ、腕っぷしを買われてボクサーとしても大活躍。

そのパトロンとも言える金持ちが、何を隠そう、ジョンの実父でした。お互いそうとは知らず、ジョンはその富豪ギルバートの元で建築の勉強をして、ボクサーを引退し建築家になろうとしはじめます。

ジョンは自分を拾ってくれた洋裁店の娘ベッカと相思相愛の仲なんですけど、ギルバートに目をかけられたジョンは、ギルバートの養女とも親しくなったりします。

時間が経つにつれて、ギルバートに見染められたジョンと、しがない洋品店の娘ベッカの関係は身分違いの恋みたいになっていき、ベッカは身を引く決意をします。

そうとは知らないジョンはベッカに捨てられたと思って、仕事にまい進。ギルバートの養女との結婚話が持ち上がるようになります。

ところがギルバートが商用でヨーロッパに行き、その帰りにタイタニックに乗って、帰らぬ人となってしまう。おまけに仕事命のジョンはギルバートの養女にも捨てられてしまう。

やけになったジョンは荒れまくり、結局はベッカと一緒になって、NYの街を世界一の摩天楼にする決意を固める、という話でした。

 

なのでタイタニックがどうという映画ではなく、あくまでも貧しい青年の成功譚であり、青年の人生を描いたドラマであり、またNY(マンハッタン)という街そのものが主題、という感じ。

そして映画の終わりは、当時のアメリカ人の、アメリカに賭ける熱意みたいなのが伝わってくる終わり方でした。

いい映画でした。見てよかったです。

 

要するに『タイタニック』という邦題は釣りですね、今風に言うと。家に帰ってから調べたら、原題は『East Side,West Side』という題名でした。

そうですね、まさしくこの映画は『East Side,West Side』であって、それなら納得です。

 

でも、最後のタイタニック号のシーンは最低限押さえるところは押さえていて、氷山と激突もするし、船も大西洋に沈んでいきます(ポッキリ真ん中で折れたりはしませんでしたが)。

船と一緒に沈むギルバートは、さすが「上流階級エリートの責任感」を感じさせて美しかったし、逃げ惑う人々、ボートに乗り込む女子供たち、覚悟を決める男たち、という具合で、決して見劣りするものではありませんでした。

ギルバートの養女は「ボートは女子供が先だ」って言ってるのに、自分の恋人をこっそりボートに乗せたりなんかもしてました。

 

俳優陣も良かったです。サイレント映画は大げさでわざとらしい演技と言われることが多いですが、今回そういう風には思いませんでした(私が見慣れただけかもしれませんが)。

 

 

ところで今作はサイレント映画なんですけど、テーマやストーリーとは別に特記したいことがあって、それは今作が全くの「無音上映」だったことです。

サイレント映画と言えば伴奏音楽が特徴ですけど、音楽なしの「無音」だったんですね。これが素晴らしく良かったです。

 

あまり興味のない方の為に簡単に説明すると、サイレント映画をDVDなどで観ると必ず音楽が流れていますが、これは現在の主題歌とか劇伴とかとは全く違う存在です。

昔は映像を撮影する時に同時に音を録音することができなかったので、無音なんですね。俳優が一生懸命喋っているセリフですら、聞くことができないわけです。当時の大衆は、スターがどんな声なのか全く知らなかったんですね。

でもセリフが分からないと映画の理解を妨げるので、大事なセリフはところどころで中間字幕が入ります。

そして出来上がった映像だけのフィルムが小屋に運ばれて公開されるわけですけど、各小屋にはピアニストやバイオリニストや楽団などが雇われていて、映画に合わせて即興で演奏するんですね。

監督が指定した楽譜とかはないので、当時は小屋によって流れる音楽が違ってたわけです。日本だとそれがさらに発展して活動弁士が登場したりなんかもします。

なので、DVDなどでサイレント映画を観ると必ず音楽が流れますけど、当時の人がその音楽で映画を見たわけじゃないんです。他のメーカーのDVDとか、YouTubeで探して見たりすると、全然別の音楽だったりもします。

サイレント時代の映画音楽というのは、そういうものです。

 

そんな感じに、サイレント映画を見る時はなんらかの音楽が流れているのが通常なんですけど、今作は全くの無音でした。

私も全く無音の中で映画を見るのは初めてです。果たしてどんな感じなんだろうと興味津々でしたが、結論を言えばそれがとても良かったんですね。

映画が始まったすぐは、シーンとした中で映像だけが流れているのが不思議な感じで、息をひそめるような気持になりましたけど、気がつけば音楽が鳴っていないことなんて忘れていました。

もっと言えば、無音の方がいいとさえ思いましたね。すごく集中出来た気がします。

今後自宅でサイレント映画を見る時は、無音で見てみようかなと思います。

 

※)Youtubeに、中間字幕が英語ですけど、動画が上がっていましたので貼っておきます。やはり無音です。

www.youtube.com

 

 

そうそう蛇足ですけど、映画が始まるまでロビーで待ってたんですけど、隣にいたおじいさんが本物の映画好きみたいで、手にしている冊子もめっちゃ昔のスターが載ってるような雑誌でしたし、そこになにやら鉛筆で書きこんでいるようでもありました。

お仲間と喋っている内容も、サイレント映画時代のスターの名前連発で、まじで羨望でしたね。

今現在の女優とかじゃなくて、100年前の女優に夢中だなんて格好良くないですか? 私はそういうの好きです。

「お話聞かせてもらっていいですか?」なんて言ったりはできないんですけど、色々教えていただきたいと思いましたね、、、

やっぱり男の人ってオタクになれていいですよね。憧れます。女はそこまで深まりませんもん。女ってホントつまんないんですよ。

私もオタクに憧れ、目指してる女ですからね、「大ヒット作」とか「話題作」とかには目もくれず、見たい映画だけを見ていくつもりです!

 

 

帰りの渋谷駅で、スクランブル交差点を撮影する外国人たちを撮影してみました。