でかけたとき日記

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連日、渋谷で映画『ドイツ零年』を観てきましたー

 

まさか雪が降るなんて。

ゆうべ、全く気が付かなかったんですが、母が「雪が降るらしい」と言うのでカーテンを開けてみると、積もっとるー笑 ベランダの外の芝生が一面真っ白!

時間が短かったようで、残念ながら降っているところは見られなかったのですが、この関東で、1月に雪が降るなんていつぶりなんでしょう!

 

でも道路にはぜーんぜん積もってないので、予定通り今日も渋谷へ行ってきます!

昨日はゴダールの『新ドイツ零年』を見たので、今日はロッセリーニの『ドイツ零年』を観ます。

 

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本当は昨日両方見ることもできたんですけど、一日に二本も観ると情報過多で、記憶に定着しにくい気がするので、二日に分けました。

 

昨日はスクランブル交差点口(という改札はないらしい)から出たので、今日はハチ公口から出ようと思ったのに出られなくて、別のところから出て映画館に向かいました。

昨日よりずっと人が多かったー。外国人がモリモリいました。日本人より外国人の方が多いんじゃないかと思うくらいでした。

 

シアター・イメージフォーラムに到着


昨日は撮れていなかった映画館の写真を撮ってきました。のぼりも看板も色が褪せちゃって、ウィキペディアに載っている写真よりだいぶ年季が入ってますね。

調べてみると、2000年に今の場所に開業したとのこと。ということは、私が一番出かけていた20代の頃にはまだなかったんですね。納得。

 

席は昨日と全くおんなじD-6。やはりD列が良いです。この映画館、椅子も座りやすいんですよ。背中にコートとかブランケットとかをかませなくても辛くない。

 

『新ドイツ零年』は上半分の赤い方です

 

さて、本題の映画ですけど、さすがロッセリーニ、話が分かる笑(詳しくは昨日の投稿をご覧ください)

昨日のゴダールはストーリーやテーマらしきものがさっぱり分からなかったんですけど笑、今日はちゃんと分かりましたー。

 

敗戦ドイツのベルリンが舞台で、健気に立ち回るエドモンドという12歳の少年が主人公です。

エドモンドには、「死にたい」が口癖の病気の父と、元ナチ党員なために連合軍に見つかると捕まると思い込んでいる無職の兄、健気に家族の面倒をみる姉がいて、4人で小さな下宿で暮らしています。下宿には他の家族もいるし、横柄で身勝手な大家もいます。

稼ぎのない父と兄に代わって、エドモンドは年を偽ったりしながら、なんとか生活を支えようと頑張っていますが、あまりうまくいきません。

そこへ小学校の元担任と再会します。エドモンドは彼に仕事をもらい、僅かばかりの物資を手に入れます。ところが翌朝家に帰ると父親に朝帰りを叱られ、ビンタされてしまいます。

やがて父親の病気が悪化し入院することとなり、途方に暮れたエドモンドは元担任を頼って行きますが、そこでは別の子供が仕事を頼まれていました。そしてその時に元担任が言うわけです。「強いものが勝ち、弱いものは滅びるべきだ」と。

エドモンドは父の見舞いに病院を訪ねた際、毒薬を手に入れます。そして父親に毒を飲ませて殺害します。そして元担任の元へ行き、言われた通り父親を殺したことを告白すると、元担任は「そんなことは言っていない!」とエドモンドを拒絶します。

エドモンドは街を徘徊し、瓦礫のビルから飛び降りて自殺する、

という話です。

 

全ての行動が家族のためにあるエドモンドに対して、周りの大人たちはみな自分のことしか考えていません(姉以外は)。

父親は病気の自分を憐れんで愚痴ばかりだし、兄も自分の境遇を憐れんでいつまでも現実に立ち向かおうとしません。敗戦後で、超インフレで、配給すらままならない物資不足で栄養失調な世の中なのに、です。

近所の大人たちも同じで、がめつい大家も、元担任も、元担任の手下みたいな青年たちも、全員が自分のことしか考えていません。

思い詰めたエドモンドは、元担任のナチ思想に感化されて父を殺しますが、その元担任に拒絶されてしまいます。途方に暮れて瓦礫の町を徘徊すると、エドモンドよりも幼い子供たちがサッカーまがいのことをしています。やっぱりまだ子供のエドモンドは、「一緒に入れて」と言って球蹴りに参加しようとしますが、その子供たちにまで拒絶されてしまいます。

大人の仲間入りもできず、子供の仲間入りもできないエドモンドは、一人孤独に瓦礫を彷徨い、決断するわけです。

 

そして私は、この映画の主役はもうひとつ、ベルリンの瓦礫の街並みだと思いました。

この映画は戦後すぐのベルリンの、瓦礫、瓦礫、瓦礫の街が見られるのですが、その瓦礫っぷりが凄いんですよ。写真や別の映画でも見ていましたが、改めて凄いと思いましたね。

ああいう瓦礫の街から這い上がってきたのがベルリンで、ドイツなんですね。

日本の場合、全部焼けて焼け野原になりましたからね。なああーーんにもなくなっちゃった。上野の山から神田須田町が見えたと言いますから、ほんとに何にもなくなっちゃった。

東京大空襲の後、山田風太郎が「みごとに焼けましたなあ」と言って笑っていたという話がありますし、戦後の日本人は妙に明るくて、生き生きと闇市を闊歩していたという話もありますが、なんか分かるような気がします。あれくらい見事に何もなくなると、あとは建てるだけですからね。

多くの犠牲があったけど、ここまでやられちゃったらもう開き直って、「あとは建てるだけだ!」みたいな気持ちになるのも、私は分かる気がします。

 

でもドイツは石の文化ですからね。同じようにイギリス軍が大空襲をおこなっても、建物が瓦礫で残ってしまう。焼けないんですよね。

するとあちらは日本と違って、瓦礫を片付けてから建設しないといけない。

あとは建てるだけの日本と比べて、精神的に大分違うと思います。

 

いやいや日本だって、焼け残った木材とか片付けたでしょ、って思うかもしれないですけど、違うんですね。日本の場合はアメリカ軍がブルドーザーを持ってやってきて、ガガガガガーーーーって、あっという間に片付けちゃった。

ブルドーザーを知らず、手作業で解体していた日本人がびっくりしたという話があります(確か山田風太郎の日記に書いてあった気がします)。

 

エドモンドの気持ちに寄り添うのはもちろん、あの瓦礫の街並みだけでも、この映画は見る価値があると思いました。

 

 

さて、正月休みも明日でおしまい。明日は家にいて別のことを片付けて、明後日から仕事です。

仕方ないのでちゃんと働こうと思います。

 

 

ドイツ零年(字幕版)

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